こんにちは。
「70代おひとりさまの安心終活」チャンネルの今井です。
今回は「おひとりさま必見。後見制度とは?メリットとデメリットをわかりやすく解説します」というテーマでお話しします。
「後見制度という言葉は聞いたことがあるけれど、仕組みはよくわからない」
「成年後見と任意後見の違いが曖昧」
そんな声をよく聞きます。
特におひとりさまの場合、将来もし判断力が落ちたとき、誰が代わりに手続きやお金の管理をしてくれるのか。
それが一番の不安だと思います。
成年後見制度は、そうした不安を支えるための仕組みです。
判断が難しくなったとき、代わりに契約や財産管理をしてくれる人を、裁判所が選任する制度です。
成年後見制度には、2つの形があります。
ひとつは「法定後見制度」
もうひとつは「任意後見制度」です。
法定後見制度は、すでに判断が難しくなってから、家族などが家庭裁判所に申し立てをして、後見人を選んでもらう仕組みです。
一方、任意後見制度は、まだ元気なうちに「もしものときはこの人に任せたい」と、自分の意思で契約しておく制度です。
おひとりさまの場合は、この任意後見を準備しておくことで、将来の安心につながります。
ここからは、成年後見制度のメリットを3つお話しします。
ひとつ目は「財産を守れること」。
認知症などで判断が難しくなると、悪質な勧誘や詐欺の被害を受けることがあります。
後見人がいれば、不正な契約を止めたり、取り消したりできます。
トラブルの防止につながるのが大きな利点です。
二つ目は「生活の支援を受けられること」。
施設への入所手続き、介護サービスの申し込み、病院の支払いなど、必要な契約や手続きを代わりに進めてもらえます。
財産の管理だけでなく、日常生活を支える役割もあります。
三つ目は「身寄りがなくても支援を受けられること」。
家族がいない方や、遠方にいる方でも、専門職の後見人がサポートに入ることで、安定した生活を続けられます。
私の事務所でも、こうした形で成年後見を利用している方が多くいらっしゃいます。
次に、デメリットについてです。
ひとつ目は「費用がかかること」。
後見人には月2万円から3万円程度の報酬が必要になります。
期間が長くなると、負担を感じる場合もあります。
二つ目は「自分で後見人を選べないこと」。
法定後見の場合、家庭裁判所が後見人を決めます。
希望する人が選ばれるとは限りません。
三つ目は「制度が硬いこと」。
後見人は家庭裁判所の監督を受けており、自由な判断がしづらい場面があります。
旅行や贈与など、お金の使い方にも慎重さが求められます。
これは本人を守るための仕組みですが、柔軟さに欠けると感じる方もいます。
では、どうすればこの制度を上手に使えるのか。
答えは、元気なうちに任意後見契約を結んでおくことです。
自分で信頼できる人を選び、契約内容もあらかじめ決めておく。
それが一番安心できる方法です。
ある70代の女性は、任意後見契約に加えて、亡くなった後の手続きを死後事務委任契約で依頼し、財産の行き先を遺言で定めました。
この3つを組み合わせることで、もしものときから死後まで、一貫して自分の意思を反映できる体制が整いました。
まさに「おひとりさまの安心終活」の形だと思います。
最後に整理します。
成年後見制度のメリットは、
・財産のトラブルを防げる
・生活の支援が受けられる
・家族がいなくても安心できる
一方で、
・費用がかかる
・後見人を自分で選べない
・制度が硬い
というデメリットがあります。
だからこそ、判断力がしっかりしている今のうちに考えておくことが大切です。
準備を早めに進めることで、選択肢が広がります。
成年後見制度は、難しそうに聞こえますが、正しく使えば大きな安心につながります。
不安を感じたときは、司法書士などの専門家に相談してみてください。
状況に合わせて、最適な方法を一緒に考えられます。
おひとりさまが、これからも自分らしく、穏やかに暮らしていくために。
今日の話が、そのきっかけになれば幸いです。

