※本記事は2026年10月時点の情報に基づいて解説しています。

先に結論:成年後見人に「医療同意権」はありません
「後見人さんに手術の同意書へサインしてほしい」と病院から言われ、戸惑った経験はありませんか。
結論からお伝えすると、成年後見人には、手術や延命治療などの医療行為に同意する権限(いわゆる医療同意権)は、法律上認められていません。厚生労働省のガイドラインも、医療機関に対して「成年後見人等に同意書へのサインを強要しないように」と注意を呼びかけています。
一方で、成年後見人が医療の場面で何もできないわけではありません。ポイントを先にまとめます。
- できること:入院や診療の契約(入院手続き)、入院費・医療費の支払い、既往歴などの情報を医師に伝えること、医師から説明を受けて本人の理解を助けること
- できないこと:手術などへの同意、身元保証人・連帯保証人になること、身体拘束への同意、葬儀の主宰、結婚・養子縁組・遺言などの「身分行為」の代理
- 亡くなった後:原則として後見人の仕事は終わりますが、民法873条の2により、火葬・埋葬の契約や未払いの医療費の支払いなど、一部の「死後事務」は例外的にできます
高齢化が進むなか、判断能力に不安がある方を支える「成年後見制度」の大切さは日々増しています。ところが、医療や介護の現場では「成年後見人は家族の代わり」と誤解されることも少なくありません。特にトラブルになりやすいのが、「手術などの医療同意」と、亡くなられた後の「葬儀や遺品の引き取り(死後事務)」です。
この記事では、成年後見人が「できないこと」の代表である医療同意と死後事務を中心に、法律上の理由、厚生労働省のガイドラインの中身、現場で求められたときの対応、例外的に認められる場面を、司法書士が順を追って解説します。
成年後見制度の基本と後見人の役割
成年後見制度には、「後見」「保佐」「補助」の三つの類型があり、それぞれの対象者の判断能力に応じて家庭裁判所が成年後見人・保佐人・補助人を選任します。
※2026年6月24日に公布された改正法(民法等の一部を改正する法律・令和8年法律第45号)により、施行後は後見・保佐の制度が廃止され、「補助」に一本化されます。施行は公布から2年6か月以内の政令で定める日で、それまでは今の三つの類型のままです。
成年後見人の役割は、大きく分けて「財産管理」と「身上保護(身上監護)」の二つです。
民法第858条 成年後見人は、成年被後見人の生活、療養看護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。
この条文にある「生活、療養看護」に関する事務(身上保護)とは、具体的には介護サービスの契約、施設入所の手続き、入院の手配などを指します。また、民法859条は、後見人が本人の財産を管理し、財産に関する法律行為(契約など)について本人を代表すると定めています。
つまり、成年後見人はあくまで「法律行為(契約など)」の代理人です。本人の体に直接かかわる判断や、介護・付き添いといった実際の作業(事実行為)までは、権限に含まれていません。
成年後見人が医療同意できない理由
体や命にかかわる決定は「本人だけの権利」
手術を受けるかどうか、延命治療を続けるかどうか。こうした自分の体や命にかかわる決定は、本人だけが行使できる「その人だけの権利(一身専属的な権利)」と考えられています。そのため、たとえ成年後見人であっても、本人に代わって同意することはできません。
医療の世界でいう「インフォームド・コンセント(説明を受けたうえでの同意)」も、医師から説明を受けて同意するのは、本来は患者本人です。成年後見人は、その説明の場に同席して本人の理解を助けることはできても、同意そのものを代わりに行う立場にはありません。
厚生労働省のガイドラインにも明記されています
この点は、国(厚生労働省)のガイドラインでも次のように明記され、注意が呼びかけられています。
厚生労働省「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」
[医療機関としての留意点]:現行制度では、成年後見人等の役割としていわゆる医療同意権までは含まれないことについて十分留意し、成年後見人等に同意書へのサインを強要することがないよう注意して下さい。医療機関が成年後見人等に対して説明を行った旨を、医療機関と成年後見人等の間で事実確認として残したい場合には、例えば「成年後見人として担当医の説明を受けました」等の記載とすることで対応するという方法もあります。
そのため、病院から同意書へのサインを求められても、後見人は「手術に同意します」というサインはできません。その代わりに、「成年後見人として担当医の説明を受けました」という事実確認のサインで対応するのが、実務上の一般的なやり方です。
成年後見人として書類に署名するときの書き方や、使う印鑑については、こちらの記事で詳しくまとめています。

結果への責任の問題もあります
医療行為には、常に結果へのリスクがつきものです。もし後見人の同意によって本人に不利益が生じたら、その責任を誰がどう負うのかという問題も出てきます。こうした理由から、法律の面でも実務の面でも、成年後見人が医療同意を行うことは認められていません。
「後見人 医療同意 ガイドライン」とは?厚生労働省ガイドラインの中身
どんなガイドラインか
「後見人 医療同意 ガイドライン」と調べると出てくるのが、先ほど引用した「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」です。厚生労働省の研究班がまとめ、令和元年(2019年)6月3日付の通知で、厚生労働省から医療機関などに示されました。
身寄りがない人や、判断能力が不十分な人でも、必要な医療を安心して受けられるようにすることが目的です。その中で、医療の現場での成年後見人等の役割が整理されています。
ガイドラインが示す「成年後見人等に期待される役割」
ガイドラインでは、本人の意思決定が難しい場合に、成年後見人等が次のような役割を果たすことが期待されています。
| 役割 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 契約の締結等 | 必要な診療契約を結び、診療費・入院費を本人の財産から支払う |
| 身上保護(適切な医療サービスの確保) | 既往歴や服薬歴などの医療情報を家族等から集めて医療機関に伝え、おくすり手帳などを管理する |
| 本人意思の尊重 | 説明の場に同席して本人に分かりやすく伝える、本人の好みや以前の希望など意思を推しはかる材料を医療機関に伝える、話し合いの場(カンファレンス)に参加する |
| その他 | 疎遠になっていた親族への連絡・調整、緊急連絡先や入院中の物品手配などについて関係者と連携する |
また、本人の権利を守る立場から、成年後見人等は医療の内容が適切かどうかを確かめるために、医療機関に説明を求めることができると考えられる、とも書かれています。
本人が判断できないときは「話し合い」で決める
では、本人が判断できず、家族もいない場合、治療方針はどう決まるのでしょうか。ガイドラインは、本人の意思を推しはかり、それが難しい場合も含めて、「本人にとって何が最善か」を医療・ケアチームで繰り返し話し合うことを基本としています。
その話し合いには、医師や看護師だけでなく、成年後見人やケアマネジャーなど、本人にかかわる人が加わります。成年後見人は「決める人」ではなく、本人の思いや暮らしぶりを伝え、話し合いを支える一員という位置づけです。
成年後見人ができること・できないこと一覧
医療や介護の場面で、成年後見人の権限には明確な線引きがあります。まず全体を表で見てみましょう。
| 場面 | できること | できないこと |
|---|---|---|
| 入院・通院 | 入院契約・診療契約の締結(入院手続き)、医師の説明を受ける、医療情報の提供 | 手術・延命治療などへの同意、身元保証人・連帯保証人になること |
| 介護・施設 | 介護サービスや施設入所の契約、退院後の受け入れ先の契約 | 身体拘束への同意、介護や付き添いなどの実際の作業 |
| お金・財産 | 医療費・入院費の支払い、財産の管理 | 本人のためにならない贈与など(後ほど解説) |
| 家族関係 | (なし) | 結婚・離婚・養子縁組・遺言などの代理 |
| 亡くなった後 | 一部の死後事務(火葬・埋葬の契約、未払い医療費の支払いなど)、死亡届の提出 | 葬儀(お通夜・告別式)の主宰 |
成年後見人ができること
- 入院・診療の契約:本人に代わって、病院と入院や診療の契約を結べます。
- 医療費・入院費の支払い:病院からの請求に応じて、本人の財産から支払います。
- 医療機関との情報連携:本人の健康状態や生活歴、希望を医師に伝え、治療がスムーズに進むよう支えます。
- 意思決定支援:本人の判断能力が一部残っている場合には、分かりやすく説明して本人の意思確認を助け、本人の希望が反映されるようにします。
- 退院後の生活の準備:転院先や施設、介護サービスの契約を結びます。付き添いや物品の準備そのものは後見人の業務ではありませんが、それを行う有償サービスを手配することは業務に含まれます。
- 死亡届の提出:戸籍法87条2項により、後見人も死亡届を出すことができます。
成年後見人ができないこと
- 医療行為(手術・延命治療など)への同意
- 身元保証人・連帯保証人としての契約(ガイドラインでも、成年後見人等が保証人として入院費を負担することはないとされています)
- 身体拘束への同意(介護施設などでの身体拘束は、緊急やむを得ない場合に限って一定の要件と手続きのもとでのみ認められるもので、家族や成年後見人等の同意だけで認められるものではありません)
- 介護・付き添いなどの事実行為(食事の世話や病院への付き添いなど、実際の作業そのもの)
- 結婚・離婚・養子縁組・遺言などの身分行為の代理(本人の意思で決めるべきことのため、後見人が代わりに行うことはできません。たとえば、成年被後見人が結婚するときに後見人の同意は不要とされ(民法738条)、養子縁組も同様です(民法799条)。遺言も、本人が判断能力を一時的に回復したときに、医師2人以上の立会いのもとで本人がするものとされています(民法973条))
- 死亡後の遺体・遺品の引き取り、葬儀の手配(原則として後見業務は本人の死亡により終了するため、これらは親族または行政が対応します。※一部例外あり)
これらはいずれも、原則として後見人の法的な権限の範囲を超える行為とされています。
予防接種は例外的な扱いがあります
注意したいのが予防接種です。予防接種法では、接種の同意を本人または「保護者」から書面で得ることとされ、この「保護者」には後見人が含まれます(予防接種法2条7項、予防接種実施規則5条の2)。そのため、厚生労働省は、新型コロナワクチンの接種について、まず本人の意思をできるかぎり確認し、確認が難しい場合には、家族や医療・ケアチームと相談しながら成年後見人が署名することもできる、と案内していました。手術などの一般的な医療同意とは扱いが異なる点に注意が必要です。なお、2026年の改正にあわせて成立した関係法律の整備法(令和8年法律第46号)では、施行後、予防接種法のこの「後見人」を「未成年後見人及び特定補助人」に改めることとされています。
入院手続きと身元保証人の問題
入院のとき、病院から「身元保証人」や「連帯保証人」の欄への記入を求められることがあります。しかし、先ほどのとおり、成年後見人は保証人にはなりません。専門職などの第三者が後見人になっている場合、本人の債務の保証人になることは一般的に適切でないとも、ガイドラインに書かれています。
それでも心配はいりません。病院が身元保証人に期待している役割の多く(入院費の支払い、退院後の行き先の調整など)は、成年後見人の仕事でカバーできます。また、厚生労働省は平成30年4月27日付の通知で、身元保証人等がいないことだけを理由に入院を断ることは、医師法19条1項(医師の応招義務)に抵触するという考え方を示しています。
たとえば、ひとり暮らしの山田太郎さん(80代・仮名)に成年後見人がついている場合、入院手続きでは、後見人が後見登記の「登記事項証明書」を示して入院契約を結び、入院費の支払いを引き受ける、という流れになります。手術の同意そのものは、本人の意思を確認しながら、医療・ケアチームの話し合いで方針を決めていきます。
身元保証人がいない場合の入院について、詳しくはこちらの記事もご覧ください。

お金や財産の面でできないこと・難しいこと(贈与・担保の設定・増改築)
医療や亡くなった後のことだけでなく、お金や財産の使い方にも限界があります。成年後見人の仕事は、本人の財産を本人のために守り、使うことだからです。
- 贈与:認知症になる前に「孫の大学の学費を援助する」と口約束をしていても、後見が始まると、原則として贈与はできません。家族が後見人になった場合も同じです。
- 担保の設定:賃貸物件を建て替えるために本人の土地に抵当権をつけて借入れをすることは、本人にとってのリスクが大きいとして、認められにくいのが実情です。
- 増改築:家族が暮らす家のリフォームでも、本人の財産が減って将来の生活費が足りなくなるおそれがあれば、後見人は慎重に判断します。本人が住む家の売却・賃貸・抵当権の設定などには、家庭裁判所の許可も必要です(民法859条の3)。
こうした希望がある場合は、元気なうちに家族信託や任意後見を検討しておくことが、解決策になり得ます。
医療同意が必要な場合の代わりの手段
では、本人が判断能力を失い、家族もいない場合にはどうすればよいのでしょうか。現在は、次のような対応がすすめられています。
1. 医療・ケアチームによる話し合い
医師だけの判断や後見人の一存ではなく、医師、看護師、ソーシャルワーカー、ケアマネジャー、そして成年後見人などが集まり、「ご本人にとって最善の利益は何か」を話し合って治療方針を決めます。話し合った内容は、その都度記録に残しておくことが求められています。
2. 事前指示書(リビングウィル)の活用
ご本人がまだ意思表示できるうちに、「延命治療を望むか」「どのような最期を迎えたいか」などの希望を書面に残しておけば、判断能力が低下した後の大切な判断材料になります。

成年後見人の死後事務(例外的な権限)について
原則として、ご本人が亡くなると同時に成年後見人の任務は終わります。本来なら、遺体の引き取りや葬儀、遺品の整理は相続人(ご家族)が行うことです。
しかし、「身寄りのない方」や「親族と疎遠」なケースに対応するため、平成28年の民法改正(同年10月13日施行)で民法873条の2が設けられ、例外的に一定の「死後事務」が認められるようになりました。
例外的に認められる3つの行為
次の行為は、以下の要件をすべて満たす場合に限り認められます。
- 成年後見人がその事務を行う必要があること
- 相続人が相続財産を管理できる状態になっていないこと
- 相続人の意思に反することが明らかでないこと
| 行為 | 具体例 | 家庭裁判所の許可 |
|---|---|---|
| 1. 個々の相続財産の保存に必要な行為 | 自宅の雨漏りの修繕、時効が迫っている債権の請求など | 不要 |
| 2. 支払期限が来た債務の支払い | 未払いの医療費・入院費・施設利用料、公共料金などの支払い | 不要 |
| 3. 火葬・埋葬に関する契約その他、相続財産全体の保存に必要な行為(1・2を除く) | 火葬場との契約、家財道具を預けるトランクルームの契約、電気・ガス・水道の解約、支払いのための預貯金の払戻し など | 必要 |
ここで注意したいのは、家庭裁判所の許可が必要なのは火葬・埋葬の契約だけではない、という点です。たとえば、未払いの入院費を本人名義の預金から払い戻して支払う場合、預金の払戻しは3に当たるため、許可が必要になります。なお、納骨堂などへの納骨の契約は、火葬・埋葬の契約に準じるものとして、家庭裁判所が必要性などを考えて許可するかどうかを判断するとされています。
葬儀(お通夜・告別式)は原則としてできません
ここで誤解されやすいのが「葬儀」です。家庭裁判所の許可を得て後見人ができるのは、あくまでご遺体の火葬や埋葬に関する契約手続きまでです。
「お通夜」や「告別式」といった儀式は、宗派や費用の規模によって意見が分かれやすく、相続人とのトラブルの原因にもなりかねません。そのため、成年後見人が喪主となって葬儀を執り行うことは、職務の範囲外とされています。
注意:「死後事務」を行えないケース(保佐人・補助人など)
今回ご紹介した「死後事務の権限(民法873条の2)」は、あくまで法定後見制度における「成年後見人」だけに認められた特例です。保佐人・補助人・未成年後見人・任意後見人は、この法律に基づいた死後事務を行うことはできません。
なお、改正法の施行後は、補助人にも、本人が亡くなった後の火葬・埋葬の契約や、未払いの施設利用料の支払いなど、一定の死後事務の権限が認められます。
任意後見人の場合の対応策
任意後見人には、上記のような法律上の特例は適用されません。そのため、死後の手続きまで頼みたい場合は、ご本人が元気なうちに別途「死後事務委任契約」を公正証書などで結んでおく必要があります。この契約があれば、葬儀や納骨、行政手続きなどをスムーズに進めることができます。

2026年の法改正で医療同意の扱いは変わる?
2026年6月に公布された改正法(令和8年法律第45号)は、後見・保佐を補助に一本化するほか、先ほどのとおり補助人にも一定の死後事務の権限を認める内容です。一方、法務省が公表している改正の概要資料を見るかぎり、医療同意権を新たに設けるといった見直しは、改正項目に挙げられていません。
そのため、施行後も「後見人(補助人)が手術などに同意できない」という基本は変わらないと考えられます。最新の情報が入りしだい、この記事でもお知らせします。
よくある質問
- 成年後見人は手術の同意書にサインできますか?
-
できません。成年後見人には医療同意権がなく、厚生労働省のガイドラインも、成年後見人等に同意書へのサインを強要しないよう医療機関に求めています。記録を残す必要がある場合は、「成年後見人として担当医の説明を受けました」といった事実確認のサインで対応するのが一般的です。
- 「後見人の医療同意のガイドライン」とは、どのガイドラインですか?
-
厚生労働省が令和元年(2019年)6月に示した「身寄りがない人の入院及び医療に係る意思決定が困難な人への支援に関するガイドライン」です。成年後見人等に医療同意権がないことを前提に、契約・支払い・医療情報の提供・意思決定支援など、医療の場面で後見人に期待される役割を整理しています。
- 成年後見人は入院手続きや身元保証人を引き受けてくれますか?
-
入院契約などの入院手続きや、入院費の支払いは成年後見人の仕事です。ただし、身元保証人や連帯保証人になることはありません。厚生労働省は、身元保証人等がいないことだけを理由に入院を断ることは医師法に抵触するという考え方を示しています。
- 成年後見人に葬儀をしてもらうことはできますか?
-
葬儀(お通夜・告別式)の主宰は、成年後見人の権限に含まれていません。ただし、要件を満たせば、家庭裁判所の許可を得て火葬・埋葬の契約をすることはできます。葬儀まで頼みたい場合は、元気なうちに死後事務委任契約を結んでおく方法があります。
- 2026年の法改正で、後見人も医療同意ができるようになりますか?
-
法務省の改正概要を見るかぎり、医療同意権を設ける見直しは含まれていません。改正で変わるのは、後見・保佐の補助への一本化や、補助人の死後事務の権限などです。施行は公布(2026年6月24日)から2年6か月以内の政令で定める日とされています。
まとめ
成年後見制度は、判断能力が低下した方を守るための心強い制度ですが、決して「何でもできる家族の代わり」ではありません。特に「医療」と「亡くなった後」の場面では、法律上の限界があることを知っておくことが大切です。
- 医療同意:成年後見人に同意権はありません。厚生労働省のガイドラインのとおり、現場では後見人の独断ではなく、「医療・ケアチームによる話し合い」や「事前の意思表示(リビングウィル)」を大切にして方針を決めます。
- 入院手続き:入院契約や入院費の支払いは後見人の仕事ですが、身元保証人にはなりません。
- 死後の手続き:原則として、ご本人の死亡とともに後見人の任務は終わります。葬儀の喪主は務められませんが、要件を満たせば「未払い医療費の支払い」などができ、家庭裁判所の許可を得れば「火葬・埋葬の契約」なども例外的に可能です。
「後見人さえつければ安心」と思い込んでいると、いざというときに「手術のサインができない」「お葬式があげられない」といった問題に直面してしまいます。こうした事態を防ぐには、制度の枠組みを知ったうえで、元気なうちに「任意後見契約」や「死後事務委任契約」を組み合わせるなど、ご本人の希望に合わせた備えをしておくことが有効です。
シアエスト司法書士・行政書士事務所(西宮北口)では、成年後見や任意後見、死後事務委任契約のご相談をお受けしています。「自分の老後はどうなるのだろう」「親のことが心配」と感じたときは、どうぞお気軽にお声がけください。

