相続財産清算人とは?相続人がいない場合の手続きを西宮の司法書士が解説

この記事で分かること
  • 相続人がいない(不存在)場合に遺産はどうなるか
  • 相続財産清算人の役割と選任される人
  • 申立てができる人・申立先・費用・期間
  • 内縁の配偶者(特別縁故者)が遺産を受け取る方法
目次

相続人がいない場合、遺産はどうなる?

故人(被相続人)が亡くなると、遺産は原則として法定相続人または遺言書に記載された受遺者が引き継ぎます。

しかし、次のようなケースでは相続人が誰もいない状態になることがあります。

  • 法定相続人が全員すでに死亡しており、代襲相続できる子もいない
  • 法定相続人は存在するが、全員が相続放棄をしている
  • 法定相続人が最初からいない(生涯独身・子なし・兄弟姉妹もなし)

このような「相続人不存在」の状態になると、故人の遺産や借金(債務)は宙に浮いたまま放置されてしまいます。

そこで必要になるのが、「相続財産清算人」の選任です。

相続財産清算人とは?

相続財産清算人とは、相続人が不在の場合に、故人の遺産を管理・清算するために家庭裁判所が選任する人のことです。

2023年(令和5年)の民法改正により、従来の「相続財産管理人」は「相続財産清算人」に名称が変更されています。

相続財産清算人の主な役割

  1. 故人の財産・負債の調査・管理
  2. 債権者(お金を貸していた人など)への債務の弁済
  3. 相続人の捜索公告
  4. 清算後に残った財産の国庫帰属手続き

清算後に残った財産は、最終的に国(国庫)に帰属します。

内縁の配偶者(特別縁故者)は遺産を受け取れる?

「法律上の婚姻関係はないが、長年連れ添った内縁の夫・妻がいる」というケースは少なくありません。

しかし、内縁の配偶者には法律上の相続権がありません。いくら長年一緒に暮らしていても、婚姻届を提出していなければ「法律上の配偶者」とは認められないからです。

では、内縁の配偶者は遺産を一切受け取れないのでしょうか。

「特別縁故者への財産分与」という制度がある

相続人不存在が確定し、相続財産清算人による清算後もなお遺産が残っている場合、「特別縁故者」として家庭裁判所に財産分与を申し立てることで、遺産の一部または全部を受け取れる可能性があります。

特別縁故者とは、次のような方が該当します。

  • 内縁の配偶者(事実婚のパートナー)
  • 故人と生計を同じくしていた人
  • 故人の療養看護に尽力した人

ただし、特別縁故者への財産分与の申立ては、相続財産清算人の選任とは別に行う必要があります。また、家庭裁判所が「分与することが相当」と認めた場合に限って財産を受け取れます。必ず認められるわけではない点に注意が必要です。

内縁の配偶者の方へ: 相続人がいないからといって、故人の財産を勝手に生活費に充てることは法律上許されません。適切な手続きを経ることが重要です。

相続財産清算人の申立て:基本情報

申立ての前提条件

  • 遺産が存在し、相続手続きが必要であること
  • 相続人が不在であることが明らかであること

申立てができる人

  • 利害関係人(特別縁故者、債権者、受遺者など)
  • 検察官

申立先

被相続人の最後の住所地を管轄する家庭裁判所に申立てを行います。

最後の住所地申立先
西宮市・尼崎市など神戸家庭裁判所 尼崎支部
神戸市など神戸家庭裁判所 本庁

申立てに必要な主な書類

  • 申立書
  • 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本(除籍・改製原戸籍含む)
  • 被相続人の住民票除票または戸籍附票
  • 財産に関する資料(不動産登記事項証明書、預金通帳のコピーなど)
  • 申立人の利害関係を証明する資料

※ケースによって必要書類が異なります。事前に確認することをお勧めします。

相続財産清算人に選任されるのはどんな人?

相続財産清算人になるために特別な資格は必要ありません。ただし、家庭裁判所が被相続人との利害関係や適性を考慮して選任します。

実務上は、弁護士や司法書士などの法律専門家が選任されるケースが多いです。

手続き完了までの期間

相続財産清算人の手続きには、複数回の公告(官報公告)が必要です。なかでも相続人捜索の公告は最低6か月以上の期間が必要とされています。

申立てから最終的な手続き完了まで、1年以上かかるケースも珍しくありません

手続きの大まかな流れ

  1. 家庭裁判所に申立て
  2. 相続財産清算人の選任・公告(官報)
  3. 債権申出の公告(2か月以上)
  4. 相続人捜索の公告(6か月以上)
  5. 相続人不存在の確定
  6. 特別縁故者がいる場合は財産分与申立て(3か月以内)
  7. 残余財産の国庫帰属

まとめ:相続人不存在でお困りの方は専門家へ

相続財産清算人の選任手続きは、戸籍収集から裁判所への申立て、その後の公告手続きまで、非常に複雑で長期にわたる手続きです。

特に次のようなお悩みをお持ちの方は、早めに専門家へご相談ください。

  • 相続人が全員相続放棄をしてしまった
  • 内縁の妻・夫として、パートナーの遺産を受け取りたい
  • 債権者として、故人の遺産から債権を回収したい
  • 手続きに必要な期間や費用を知りたい

西宮市・尼崎市・神戸市など兵庫県内の相続・遺言に関するご相談は、シアエスト司法書士・行政書士事務所へお気軽にどうぞ。司法書士・行政書士が親身になってサポートいたします。

代表司法書士・行政書士 今井 康介

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