突然ですが、「自己責任」という言葉にどんな印象を持っていますか?
「自分のことは自分で決めて、結果も自分で引き受ける」——そういうイメージを持つ方が多いと思います。
私もずっとそう理解していました。ただ、司法書士として仕事を続けるなかで、この言葉の意味を少し広げて考えるようになりました。今回は、そのことについて書いてみます。
「担当範囲をやり切った」だけでは、何かが足りない
辞書的な自己責任の定義は「自分の行動・判断の結果は自分で引き受けること」です。これ自体は正しいと思います。
ただ、この定義をそのまま仕事に当てはめると、少し物足りなさを感じるようになりました。
「自分の担当範囲だけ責任を持つ」という考え方は、裏を返せば「それ以外は自分のせいではない」という考え方と隣り合わせです。
相続の手続きを例にとると、関わる人は依頼者お一人ではありません。複数の相続人がいれば、それぞれに連絡が必要です。場合によっては税理士や弁護士と連携することもあります。
書類を整えて、必要な説明もした。自分の担当範囲はやり切った——そう言える状況でも、依頼者がまだ困っていることはあります。手続きが動いていないこともあります。
そういう場面で「担当範囲外だから」と待つより、「自分に何かできることはないか」と考えて動く方が、結果として依頼者の役に立てます。
これは「サービスが良い」とか「頑張っている」という話ではなく、単純にそう動いた方が問題が解決するからです。
「環境や他の人の問題も、まず自分事として考える」
私が日頃意識しているのは、関わる人・状況をなるべく自分事として捉えることです。
連絡がうまく届いていないなら、自分の伝え方に工夫の余地があるかもしれない。手続きが滞っているなら、早めに動けたタイミングがあったかもしれない。そう問い直すことで、次の手が見えてきます。
他の人や状況のせいにすると、その瞬間は楽になりますが、問題は残ります。自分事として考えると、少し重くなりますが、動ける選択肢が増えます。
好きな言葉——「自由と責任はトレードオフ」
「自由と責任はトレードオフ」という言葉が好きです。
引き受ける責任の範囲が広がるほど、自分の判断で動ける幅も広がる、という意味です。
司法書士という仕事は、依頼者の人生の大きな節目——相続、不動産の取得、会社の設立など——に関わります。そういう仕事だからこそ、「書類を作って終わり」ではなく、「依頼者が安心して次へ進めるまで」を自分の仕事として考えたいと思っています。
おわりに
これは私個人のスタンスの話で、「こうあるべきだ」と言いたいわけではありません。
ただ、シアエスト司法書士・行政書士事務所に相談してくださる方には、こういう気持ちで向き合っています、ということをお伝えしたくて書きました。

