親が年齢を重ねると、
ご本人には「元気なうちに自分で決めたい」という思いが、
家族には「何を準備しておけばいいのだろう」という不安が、
それぞれに生まれてきます。
西宮市でも、「家族信託と任意後見、どちらを選ぶべきでしょうか?」というご相談をいただく機会が増えています。制度の違いそのものは、検索すれば似たような情報が並びますが、実際のご相談では 「自分たちの家庭にはどちらが合っているのか」 という“気持ちの部分”で悩まれている方が多いように感じます。
そこでこの記事では、制度を細かく比較するのではなく、自分たちに合った制度を選ぶための“選びどころ” を中心にお話しします。
■ 家族信託が向いているのは、こんなご家庭です
家族信託をご検討される方に共通しやすいのは、次のような状況です。
- 実家や預貯金について、家族とある程度話し合えている
- 子ども同士の関係が良く、役割分担がしやすい
- 財産を柔軟に管理・運用できる仕組みがほしい
- 将来的に実家を売却して介護費用に充てる可能性がある
西宮市では高齢の親御さんの実家の扱いで悩まれる方が多く、
「空き家にしたくない」
「売却して施設費用に回したい」
というご相談も珍しくありません。
家族信託は、不動産の売却・管理・活用が柔軟に行える という点が大きな強みです。
“裁判所の監督下で財産を守りたい”というより、“生活に合わせて財産を動かしたい”というご家庭との相性がとても良い制度です。
■ 任意後見が向いているのは、こんなご家庭です
任意後見を選ばれる背景としては、次のようなものが多く見られます。
- 将来の医療・介護の手続きを、専門家にも関わってもらいながら進めたい
- 家族内で介護の方針がまとまらないことが心配で、中立的な立場の人に関わってほしい
- 子どもが遠方に住んでおり、日常の見守りや手続きを任せるのが難しい
- 一人暮らしの親の生活面を、法的な後ろ盾のもとで支えてほしい
任意後見の特徴は、医療・介護・施設入所といった生活面の判断を、法律上の権限(身上保護)をもって任せられることです。
この権限は家族信託では持たせることができません。
さらに、任意後見が始まると、必ず専門職(司法書士や弁護士)が「任意後見監督人」として就くことが法律で決まっています。
そのため、任意後見人が家族であっても、専門家が継続的にチェックしながら進めることができます。
一方で、日常の判断や手続きに不安がある場合は、任意後見人そのものを専門家に依頼するという選択肢もあります。
任意後見は、
「生活活面まで安心できるように支えてほしい」
「専門職の関与が必要になりそうだ」
というご家庭に向いている制度です。
■ 制度の比較よりも、「どんな不安を抱えているか」で選ぶ
実際に多くのご家庭を見ていると、どちらの制度が良いかは、制度の違いより“家庭ごとの不安の種類”で選ぶほうがしっくりくるようです。
たとえば——
● 実家の処分・管理が将来の大きなテーマ
→ 家族信託の柔軟さが生きる
● 将来の医療・介護の判断が心配
→ 任意後見が生活面を法的に支える
● 子どもが遠方。見守りの担い手がいない
→ 任意後見+監督人の仕組みが安心につながる
● 家族関係が良く、財産管理を自由に動かしたい
→ 家族信託がフィットしやすい
どちらを選ぶかに“正解”はありません。
大切なのは、「この家庭の不安に寄り添えるのはどちらか」という視点です。
■ 選びきれなくても、大丈夫です
家族信託も任意後見も、“老後の安心”を形にするための道具です。
ですから、
- どちらが良いのか決めきれない
- そもそも必要なのかがまだわからない
- 家族とどう話せばいいか迷っている
こうした状態はごく自然なことです。
焦らなくても大丈夫です。
ゆっくり気持ちを整理しながら、一番安心できる方法を一緒に見つけていきましょう。
■ 最後に:西宮で、あなたのペースに合わせてサポートします
家族信託と任意後見は、制度の話に見えますが、本質は 「これからの暮らしをどう守りたいか」 という大切なテーマです。
もし、
「うちにはどちらが合っているのだろう」
「実家のことも、介護のことも気になりはじめた」
そんな思いがあれば、どうぞ無理のない範囲でご相談ください。
西宮市のシアエスト司法書士・行政書士事務所では、制度の説明だけでなく、“気持ちの整理”から寄り添うかたちでサポートしています。
落ち着いたペースで、一緒に考えていきましょう。

