「生活保護って簡単にもらえるの?」誤解されやすい6つのポイントを司法書士が解説

こんにちは。
シアエスト司法書士・行政書士事務所の今井康介です。

「生活保護」という言葉を聞くと、みなさんはどんなイメージを持ちますか?
「働いていたら受けられない」「一度もらったら一生続く」など、
実際とは違う“誤解”がたくさんある制度でもあります。

今回は、相談の現場でよくある質問をもとに、
生活保護の基本的な考え方をやさしくまとめてみました。

目次

① 無条件でもらえる手当ではありません

生活保護は「困っている人なら誰でも自動的にもらえる」ものではありません。

法律では、「持っている資産や能力を活用しても生活できない場合」に初めて支給されるとされています。
(生活保護法第4条より)

たとえば、預金や不動産、自動車などの資産がある場合は、それを活用するよう求められます。
また、働ける力がある場合は、就労の可能性も確認されます。

つまり、生活保護は“最後のセーフティネット”という位置づけなのです。

② 働いていても受けられることがあります

「働いている人は生活保護を受けられない」と思われがちですが、実はそうとは限りません。

収入が少なく、最低生活費を下回る場合は、
不足分だけを補う形で保護費が支給されることがあります。

働きながら利用する方も少なくありません。
「就労+支援」で自立を目指す仕組みも整っています。

③ 「豊かな暮らしになる」わけではありません

生活保護で保障されるのは、あくまで“健康で文化的な最低限度の生活”です。

贅沢や高額な買い物ができるわけではなく、
あくまで「生活を立て直すための最低限の補助」として支給されます。

④ 申請しないと始まりません

生活保護は、申請しない限り受けられません。
(生活保護法第7条より)

ただし、急病や災害などで命に関わる状況のときは、
申請がなくても一時的に保護を行うことができます。

「断られるかも」と心配する方も多いですが、
法律上、要件を満たしていれば申請できます。

⑤ 一度受けたら一生続くわけではありません

状況が変われば、保護は見直されます。

働けるようになったり、収入が増えたり、家族からの支援が得られるようになった場合は、
保護が停止・廃止されることもあります。

生活保護は「一生の制度」ではなく、一時的に立ち直るための制度です。

⑥ 実は、受けられるのに利用していない人が多い

本来なら対象になるはずの人でも、
「知らない」「申請をためらう」「手続きが難しい」といった理由で利用していないケースがあります。

もし身近に困っている方がいたら、
福祉事務所・司法書士・社会福祉協議会などへ相談してみてください。
話すことから始まります。

まとめ:生活保護は“恥ずかしい制度”ではなく“命を守る制度”

生活保護は、誰かを特別扱いするものではありません。
誰でも、どんなときでも、生きていく権利を守るためにある制度です。

「もしかして自分も対象かも」と思ったとき、
まずは一人で抱え込まず、相談してみてください。

代表司法書士・行政書士 今井 康介

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