「現金で持っておけば、相続税の調査では分からない」——そう考える方は少なくありませんが、税務署は“見えないお金”をこそ重点的に調べます。まずは動画で要点をご覧ください。
タンス預金は「ないこと」にできない
相続税の税務調査では、亡くなった方や家族の過去の収入、退職金、不動産の売却代金、預金口座の入出金履歴などが調べられます。ここから「本来この家にはこれくらいの財産があるはず」という金額が推計され、申告額との差が大きいと、現金(タンス預金)の申告漏れが疑われます。
とくに、亡くなる前後にまとまった額を引き出している場合、その使い道の説明を求められます。「手元に置いていた」と答えれば、その現金は相続財産として申告すべきものです。
「名義預金」——名義が子や孫でも、親の財産
子や孫の名前で作った預金口座でも、次のような実態があれば「名義預金」として親(被相続人)の相続財産に含まれます。
- お金を出したのは親である(原資が親)
- 通帳・印鑑・キャッシュカードを親が管理していた
- 子や孫は、その口座の存在を知らなかった/自由に使えなかった
- 贈与の合意(あげます・もらいますの意思表示)や贈与税の申告がない
「毎年110万円ずつ子の口座に振り込んでいた」というだけでは、贈与が成立していないと判断されることがあります。
申告漏れのペナルティ
申告漏れが見つかると、不足していた相続税の本税に加えて、過少申告加算税(原則10〜15%)、悪質と判断されれば重加算税(35〜40%)、さらに納付が遅れた期間に応じた延滞税がかかります。隠すことのリスクは小さくありません。
正しい生前贈与のしかた
贈与を相続対策として使うなら、形を整えることが重要です。
- 贈与契約書を作成する(日付・金額・当事者の署名押印)
- 親の口座から子の口座へ振込で移す(記録を残す)
- 通帳・印鑑は受け取った本人が管理する
- 年110万円を超えたら贈与税の申告をする(あえて少額の贈与税を納めて記録を残す方法もあります)
贈与・遺言・家族信託を組み合わせた全体設計が有効です。相続税の具体的な試算や申告は、提携する税理士と連携して行います。
よくある質問
- 子ども名義の口座を、今から「本物の贈与」にできますか?
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これからの分については、贈与契約書を作り、本人が管理する状態にすることで整えられます。過去の分については、名義預金と判断される可能性が残ります。状況をお聞きして対応をご提案します。
- タンス預金はどうやって申告すればいいですか?
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相続開始日時点の手元現金を「現金」として相続財産に計上します。金額の根拠(引き出し履歴など)も整理しておきます。税理士と連携して申告します。
- いくらの財産から税務調査が来ますか?
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一律の基準はありませんが、相続税の申告をした案件のうち一定割合に調査が入り、そのうち多くで申告漏れが指摘されています。基礎控除(3,000万円+600万円×法定相続人)を超えるなら、正確な申告が必要です。
- 生前贈与を始めるのに、司法書士に相談する意味はありますか?
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税額の計算は税理士の分野ですが、「誰に何をどう渡すか」の設計、不動産の贈与登記、家族信託・遺言との組み合わせは司法書士の分野です。当事務所は税理士と連携し、両面から設計します。
西宮・阪神間の生前対策は、シアエスト司法書士・行政書士事務所へ
当事務所は阪急西宮北口駅から徒歩3分。西宮市を中心に、芦屋・宝塚・尼崎・神戸など阪神間で、生前対策・遺言・家族信託のご相談を承っています。
「贈与を始める前に整理したい」という段階でのご相談を歓迎します。相続税の試算が必要な場合は提携税理士と連携します(TEL 0798-31-5930)。
出典・参考
- 相続税法(相続財産の範囲、加算税・延滞税)、国税庁「相続税の申告のためのチェックシート」
- 名義預金の判定要素(原資・管理支配・利益の帰属・贈与の事実)に関する国税不服審判所の裁決例
- 国税庁「相続税の調査等の状況」(申告漏れ・追徴の実績)
※本記事は制度の概要をまとめたものです。具体的な税額・申告・調査対応は、個別の事情により異なります。税務の取扱いは提携税理士と連携して確認します。

