※本記事は2026年10月時点の情報に基づいて解説しています。
「法律」と聞くと、多くの方が「国が決めたルール」を思い浮かべるのではないでしょうか。交通ルール、税金の仕組み、刑法の罰則などがその代表です。
けれども、少し立ち止まって考えると、こんな疑問も浮かんできます。
- 国が決めた法律は、いつも「正しい」と言えるのだろうか?
- 昔からの慣習や人としての道徳も、法律と同じように守るべきものではないのか?
- 世界中で共通する「正しさ」は、本当にあるのだろうか?
こうした問いを考えるときの土台になるのが、自然法(しぜんほう)・実定法(じっていほう)・慣習法(かんしゅうほう)という3つの考え方です。この記事では、まずそれぞれを一言でお答えし、そのあとで具体例・歴史・優先順位まで、順を追ってやさしく解説していきます。
自然法・実定法・慣習法の違いを一言でいうと
最初に、3つの違いをひとまとめにしておきます。
- 自然法とは、人が法律を作る前から存在し、人間の理性によって見出される「普遍的な正しさ」のことです。
- 実定法とは、国会などが定めた法律や、社会で実際に行われている法のように、人の手で形づくられ、いま現実に効力をもっている法のことです。
- 慣習法とは、長く繰り返されてきた社会の慣行が、「これは守るべきルールだ」と人々に受け止められ、法としての効力をもつようになったものです。
| 種類 | ひとことで | 誰が作る? | 文章になっている? | 具体例 |
|---|---|---|---|---|
| 自然法 | 理性で見出す普遍的な正しさ | 人が作るものではないと考える | 基本的に書かれていない | 人を殺してはならない、約束は守るべき |
| 実定法 | 人の手でできた、いま効力のある法 | 国会・内閣・地方議会など | 多くは書かれている(成文法) | 日本国憲法、民法、刑法、条例 |
| 慣習法 | 慣行が法として認められたもの | 社会の中で自然に生まれる | 書かれていない(不文法) | 入会権、商慣習、温泉権 |
ひとつ押さえておきたいのは、「実定法」と「慣習法」はまったく別の物ではない、という点です。辞典などでは、実定法には制定法(文章で定められた法律)だけでなく、慣習法や判例法も含まれると説明されています。つまり、大きく分けると「自然法」と「実定法」が向かい合う関係にあり、慣習法は実定法の仲間のうち「文章になっていないもの」と考えると、すっきり整理できます。
自然法とは?人間の理性にもとづく普遍的な正義
自然法(Natural Law)とは、「人間の理性」や「自然の秩序」によって導かれる、時代や国をこえて通用する正義の原理のことです。
簡単に言えば、「人間なら誰でも、生まれながらにして分かっている正しいこと」。それが自然法の考え方です。
自然法の具体例(例えばどんなもの?)
自然法の例としてよく挙げられるのは、次のような原則です。
- 人を殺してはならない
- 他人の物を盗んではならない
- 約束は守るべきである
- 人を生まれや身分で差別してはならない(人は生まれながらに尊い)
これらは、国や時代が違っても多くの人が共通して「正しい」と感じるものです。こうした「人として当然守るべきこと」を法の根本に置くのが、自然法の思想です。
日本の法律にも、この考え方は息づいています。たとえば日本国憲法11条は、基本的人権を「侵すことのできない永久の権利」と定めています。国が恩恵として与えた権利ではなく、人が生まれながらにもつ権利だという発想は、自然法・自然権の思想の流れをくむものと説明されます。
自然法の特徴
自然法の大きな特徴は、人間が法律を作る前から存在している法だと考えられている点です。そのため、国が制定する法律(実定法)よりも上にあり、「その法律が正しいかどうか」を判断するものさしになります。
- 普遍性:どの国・時代でも共通する原理である
- 不変性:人間の都合で変えることはできない
- 合理性:人間の理性(筋道立てた考え)によって理解できる
自然法は、その場の感情による道徳ではなく、「理性的に考えて正しいと判断できる法」だという点が大切です。
自然法の歴史
(1)古代ギリシャ
自然法の考え方の源流は、古代ギリシャにさかのぼります。哲学者アリストテレスは『ニコマコス倫理学』の中で、どこでも同じ力をもつ「自然による正しさ」と、人が取り決めることで生まれる「法による正しさ」を区別しました。ただ、アリストテレス自身は「自然法」という言葉を使っておらず、彼を自然法論の始まりとみるかどうかは、研究者の間でも見方が分かれています。
(2)古代ローマ
その後、ストア派の哲学やローマ法の時代に、「自然法(jus naturale)」という考え方がはっきりと形になっていきます。哲学者キケロは、「真の法とは、自然と一致する正しい理性である」と説きました。彼にとって自然法とは、善を命じ、悪を禁じる理性の声でした。
(3)中世ヨーロッパ
キリスト教神学者トマス・アクィナスは、自然法を「神の永遠の法」に人間が理性を通じてあずかるもの、と位置づけました。「善を行い、悪を避けよ」という基本原理が、その中心にあります。
(4)近代
近代に入ると、宗教から離れ、人間の理性そのものを重視する自然法論が現れます。イギリスのジョン・ロックは、「人は生まれながらにして生命・自由・財産への権利をもつ」という自然権を主張しました。この考えはアメリカ独立宣言(1776年)やフランス人権宣言(1789年)に強い影響を与え、現代の人権思想の基礎となりました。
現代における自然法の意義
20世紀、ナチス・ドイツなどの独裁政権のもとでは、「形式上は正規の手続で制定された法律」によって、人間の尊厳を踏みにじる行為が正当化されてしまいました。この苦い経験から、「法律という形をしていても、正義(自然法)に著しく反するものは法とは言えないのではないか」という考え方が、あらためて強く意識されるようになります。
その結果、現代の国際社会では「人間の尊厳」を基本とする法の仕組みが整えられ、世界人権宣言なども生まれました。自然法は今も、「法の正しさを測る最後のものさし」として働き続けているのです。
自然法と人権の関係については、こちらの記事でも詳しく取り上げています。

実定法とは?人の手で定められ、いま効力をもつ法
実定法(Positive Law)とは、人間の行為によって作り出され、一定の時代・一定の社会で実際に効力をもっている法のことです。国会が作る法律がその代表です。
「ポジティブ(Positive)」は、ここでは「前向き」という意味ではありません。ラテン語の「置かれた・定められた(positus)」に由来する言葉で、自然法のように「理性で見出す法」ではなく、「人間が定めた法」を指しています。
実定法の具体例
実定法の具体例には、次のようなものがあります。
- 日本国憲法
- 民法・刑法・商法などの法律
- 政令や省令などの命令
- 地方自治体の条例
- 国と国との約束である条約
私たちが普段「法律」と呼んでいるもののほとんどは、この実定法です。さらに広い意味では、文章になっていない慣習法や、裁判所の判断の積み重ねである判例法も、実定法に含まれると説明されます。
実定法の特徴
- 人為性:国会などが正式な手続で作る、または社会の中で人の営みから生まれる
- 強制力:守らない場合には、刑罰や損害賠償などの制裁(サンクション)が伴う
- 可変性:社会の変化に合わせて、改正したり廃止したりできる
実定法のいちばんの強みは、ルールの多くが文字で書かれていて、明確であることです(法的安定性)。その一方で、「内容がいつも正義と一致しているとは限らない」という弱点もあわせ持っています。
成文法と不文法という分け方
実定法は、文章になっているかどうかで、次の2つに分けられます。
| 分類 | 意味 | 例 |
|---|---|---|
| 成文法 | 文章で定められた法 | 憲法、法律、命令、条例、条約 |
| 不文法 | 文章になっていない法 | 慣習法、判例法、条理(物事の筋道) |
日本は成文法を中心とする国です。ただし、すべての事柄を条文で決めきることはできないため、その隙間を慣習法などの不文法が補っています。なお、判例法や条理をどこまで「法」と呼ぶかについては、学者の間でも議論があります。
自然法と実定法の関係(悪法も法か)
自然法は「正義の理想」を示し、実定法は「現実のルール」を定めます。この二つは、ときにぶつかり合います。
「悪法もまた法なり」という言葉を聞いたことがある方もいらっしゃるでしょう。法実証主義(Legal Positivism)という立場では、「内容がどうあれ、正しい手続で制定されたのであれば、それは法である」と考えます。これに対して自然法論の立場からは、「正義に著しく反する実定法は、そもそも法としての効力をもたない」という主張がなされてきました。
この議論は、「法とは何か」を考えるうえで、今なお大切なテーマのひとつです。くわしくは、こちらの記事で解説しています。

慣習法とは?社会の慣行が法として認められたもの
慣習法(Customary Law)とは、人々が長い年月をかけて繰り返してきた慣行が、「これは守らなければならないルールだ」という社会の確信(法的確信)に支えられ、法としての効力をもつようになったものです。
六法のような条文には書かれていなくても、「昔からそうしてきたし、それがルールだ」と社会が認めているもの。それが慣習法です。
慣習法が成り立つための条件
慣習法として認められるには、一般に次の2つがそろう必要があるとされています。
- 同じ慣行が、長い期間にわたって繰り返し行われていること(継続性・反復性)
- 人々が「これは単なるマナーではなく、守るべき法だ」と受け止めていること(法的確信)
そのうえで、日本の法律は、慣習が法律と同じ力をもつための条件を、法の適用に関する通則法3条で定めています。
「公の秩序又は善良の風俗に反しない慣習は、法令の規定により認められたもの又は法令に規定されていない事項に関するものに限り、法律と同一の効力を有する。」(法の適用に関する通則法3条)
かみくだくと、慣習が法律と同じ力をもつのは、次のような場合に限られます。
- 社会の秩序や道徳(公序良俗)に反しないこと
- 法律がわざわざ「慣習に従う」と認めている事柄か、法律に定めがない事柄であること
慣習法と「事実たる慣習」の違い
慣習と法の関係を定めた条文として、民法92条もあります。
「法令中の公の秩序に関しない規定と異なる慣習がある場合において、法律行為の当事者がその慣習による意思を有しているものと認められるときは、その慣習に従う。」(民法92条)
ここでいう慣習は、一般に「事実たる慣習」と呼ばれ、法的確信にまでは至っていない、取引の場での慣わしを指すと説明されます。当事者がその慣わしに従うつもりで契約したと認められれば、当事者の合意で変えられる規定(任意規定)よりも、その慣わしが優先されます。
| 区別 | 中身 | 根拠となる条文 |
|---|---|---|
| 慣習法 | 法的確信に支えられ、法律と同じ力をもつ慣習 | 法の適用に関する通則法3条 |
| 事実たる慣習 | 法的確信までは至らず、契約の中身を補う慣わし | 民法92条 |
両者の関係については学説上の議論もありますが、まずは「法そのものになった慣習」と「契約の解釈で考慮される慣わし」という違いを押さえておくと分かりやすいでしょう。
慣習法の具体例
日本の法律のもとで、慣習が重要な役割を果たしている具体例を見ていきましょう。
(1)入会権(いりあいけん)
村や集落の人々が、山林や原野で薪や草を採ったりする昔ながらの権利です。民法には「共有の性質を有する入会権については、各地方の慣習に従うほか、この節の規定を適用する」(263条)、「共有の性質を有しない入会権については、各地方の慣習に従うほか、この章の規定を準用する」(294条)という条文があります。中身は民法が細かく決めるのではなく、まず各地方の慣習によるという、慣習法の代表例です。
(2)商慣習(商取引の慣わし)
商法1条2項は、商取引でのルールの順番を次のように定めています。
「商事に関し、この法律に定めがない事項については商慣習に従い、商慣習がないときは、民法(明治二十九年法律第八十九号)の定めるところによる。」(商法1条2項)
つまり、ビジネスの場面では、商法に定めがなければ、民法の規定よりも先に商慣習が適用されます。取引のスピードや業界の実情を大切にするための仕組みです。
(3)温泉権(温泉利用権)
温泉を引いて利用する権利は、民法などの法律には定めがありません。それでも、山形地方裁判所昭和43年11月25日判決(温泉配湯請求事件)は、温泉を利用する権利を、慣習法上の物権(用益物権)として認めました。この判決では、第三者に権利を主張するための方法も、登記ではなく、送湯管などの設備によって温泉を現実に使っているという事実で足りるとしています。法律に書かれていない権利が、地域の慣習を根拠に裁判で認められた、慣習法のわかりやすい例です。
(4)慣行水利権
川の水を農業用水などに使う権利のうち、明治時代の旧河川法ができる前などから、特定の人々が継続して水を使い、社会的に認められてきたものを「慣行水利権」といいます。国土交通省は、こうした権利については、あらためて河川法の許可を申請しなくても、許可を受けたものとみなされると説明しています(河川法87条の経過措置)。
(5)民法が「慣習に従う」と定めている場面
民法には、ご近所どうしのルールなどについて、「異なる慣習があれば、その慣習に従う」と定めた条文がいくつもあります。
- 建物は境界線から50センチメートル以上離して建てるのが原則(234条)ですが、これと異なる慣習があるときは、その慣習に従います(236条)
- 境界の塀(囲障)の設置についても、異なる慣習があるときはその慣習に従います(228条)
- 境界標や塀の費用の負担について、別段の慣習があればそれに従います(217条)
- 地上権が消滅したときの工作物の撤去についても、異なる慣習があればそれに従います(269条2項)
条文そのものが「地域の慣わし」に場所をゆずっている、という点が興味深いところです。
慣習法が使えない場面(刑法)
一方で、慣習法がまったく入り込めない分野もあります。それが刑罰の分野です。
日本国憲法31条は「何人も、法律の定める手続によらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない」と定めています。何が犯罪になり、どんな刑罰が科されるかは、あらかじめ国会が定めた法律で決めておかなければならない、という「罪刑法定主義」の考え方です。そのため、「昔からの慣習だから」という理由で人を処罰することは許されません(慣習刑法の禁止)。
慣習法と自然法の関係
慣習法は、社会の歴史や文化の中から自然に生まれた法です。19世紀ドイツの法学者サヴィニーは、「法は民族の精神から生まれる」として、慣習法を重く見ました。
ただし、慣習なら何でもよいわけではありません。人権を踏みにじるような「悪い慣習」は、公の秩序や善良の風俗(公序良俗)に反するものとして、法としての効力が否定されます。通則法3条が「公の秩序又は善良の風俗に反しない慣習」に限っているのも、そのためです。ここにも、自然法的な「正しさ」のものさしが働いていると言えるでしょう。
3つの法の優先順位
「法律と慣習法では、どちらが優先されるの?」という疑問にもお答えしておきます。
| 場面 | 優先される順番 | 根拠 |
|---|---|---|
| 原則 | 法令(制定法)→ 慣習法 | 法の適用に関する通則法3条 |
| 契約(任意規定がある事柄) | 当事者が従うつもりの慣習 → 民法の任意規定 | 民法92条 |
| 商取引 | 商法 → 商慣習 → 民法 | 商法1条2項 |
| 刑罰 | 法律のみ(慣習で処罰はできない) | 憲法31条(罪刑法定主義) |
- 原則として、文章で定められた法律が先に来ます。慣習法は、法律が認めた場合か、法律に定めがない場合に、法律と同じ力をもつ「補い役」です。
- ただし、当事者の合意で変えられる民法の規定(任意規定)については、当事者がその慣習に従うつもりと認められれば、慣習の方が優先されます。
- 商取引では、民法よりも商慣習が先に適用されます。
では、自然法はどこに位置するのでしょうか。自然法は、裁判でそのまま適用される条文というよりも、法律そのものが正しいかどうかを測る「ものさし」です。日本では、その考え方が憲法の基本的人権の規定や、公序良俗に反する契約を無効とする民法90条などを通じて、実定法の中に取り込まれていると考えると分かりやすいでしょう。
ちなみに、明治8年の太政官布告「裁判事務心得」3条は、民事の裁判について「成文の法律がなければ習慣により、習慣がなければ条理(物事の筋道)を推し考えて裁判する」という趣旨を定めています。この布告が今も効力をもつかどうかは見方が分かれていますが、「法律 → 慣習 → 条理」という順番の考え方は、今日でも広く受け入れられています。
現代社会における3つの法の役割
現代の法の仕組みは、3つの法が互いに支え合いながら成り立っています。
- 自然法:法の「正義」や「あるべき姿」を示すコンパス
- 実定法:社会の秩序を守るための、明確で具体的なルール
- 慣習法:地域や業界の実情に合わせた、柔軟な暮らしの知恵
たとえば、憲法が保障する「基本的人権」は自然法の考え方に根ざしています。その人権を守るために、国会が実定法を整えます。そして、実際の取引や地域の暮らしの場では、昔ながらの慣習法が潤滑油のように働いているのです。
よくある質問
- 自然法と実定法の違いは何ですか?
-
自然法は、人が作る前から存在し、人間の理性で見出される普遍的な正しさです。実定法は、国会などが定めた法律のように、人の手で作られ、いま現実に効力をもっている法です。自然法は「法が正しいかどうかを測るものさし」、実定法は「現実に適用されるルール」と考えると分かりやすいでしょう。
- 慣習法とは何ですか?具体例を教えてください。
-
慣習法とは、長く繰り返されてきた社会の慣行が、「守るべきルールだ」という人々の確信に支えられて、法としての効力をもつようになったものです。日本では、入会権(民法263条・294条)、商慣習(商法1条2項)、裁判例で認められた温泉権、慣行水利権などが具体例として挙げられます。
- 実定法とは何ですか?具体例はありますか?
-
実定法とは、人間の行為によって作り出され、一定の時代・社会で実際に効力をもっている法です。日本国憲法、民法や刑法などの法律、政令・省令、条例、条約が具体例です。広い意味では、慣習法や判例法も実定法に含まれます。
- 法律と慣習法では、どちらが優先されますか?
-
原則として法律が優先され、慣習法は法律が認めた場合や法律に定めがない場合に、法律と同じ力をもちます(法の適用に関する通則法3条)。ただし、商取引では民法より商慣習が先に適用され(商法1条2項)、当事者の合意で変えられる民法の規定については、当事者が従うつもりの慣習が優先されることがあります(民法92条)。
- 自然法には、例えばどんなものがありますか?
-
「人を殺してはならない」「他人の物を盗んではならない」「約束は守るべきである」「人を生まれで差別してはならない」といった、国や時代をこえて多くの人が正しいと感じる原則が、自然法の例としてよく挙げられます。
まとめ ― 法とは「正義と社会のバランス」
- 自然法は、人間の理性によって見出される普遍的な正しさで、法の正しさを測るものさしです。
- 実定法は、人の手で作られ、いま効力をもっている法で、憲法・法律・条例などがその代表です。
- 慣習法は、社会の慣行が法として認められたもので、入会権や商慣習などが具体例です。広い意味では実定法の一種です。
- 優先順位は原則として「法律 → 慣習法」ですが、商取引や契約の場面では慣習が先に来ることもあります。
法を学ぶことは、六法の条文を暗記することだけではありません。人間社会の「正しさ(正義)」と「現実(秩序)」のバランスをどう取るかを考えることでもあります。
自然法は理想を、実定法は現実を、慣習法は歴史と知恵を映し出しています。この3つの視点を持っておくと、ニュースで見かける新しい法律や判決についても、「この法律は本当に正しいのか?」「社会の実情に合っているのか?」と、一歩深く考えられるようになるはずです。
私たちの事務所でも、契約や会社のルールづくり、相続のお手続きなど、法律が暮らしやお仕事に関わる場面のご相談を日々お受けしています。「これは法律的にはどうなるのかな」と気になることがありましたら、会社・法人のご相談や相続のご相談のページから、どうぞお気軽にお声がけください。暮らしの中の法律の疑問は、西宮北口の当事務所でもお聞きしています。
本記事のテーマをさらに深く学びたい方に向けて、法哲学の古典をいくつかご紹介します。
ご興味のある方は、ぜひ併せてご覧ください。
参考文献・情報源
- 田中成明『法理学講義』有斐閣
- 中山竜一『二十世紀の法思想』岩波書店
- Stanford Encyclopedia of Philosophy: Natural Law Theories
- e-Gov法令検索:商法第1条第2項、民法第92条・第263条・第294条、法の適用に関する通則法第3条、河川法第87条、日本国憲法第11条・第31条
- 国土交通省「水利権制度等」

