住宅ローン完済後の「抵当権抹消」は自分でできる?書類の書き方と住所変更の注意点

【図解】ローン完済後の「抵当権抹消」とは?手続きが必要な理由

住宅ローンのご完済、本当におめでとうございます。 そして、長期間のご返済、本当にお疲れさまでした。

毎月の返済がなくなり、肩の荷が下りたような解放感を感じていらっしゃることと思います。 銀行から「完済証書」や「解除証書」といった書類が届き、晴れ晴れとしたお気持ちではないでしょうか。

ただ、司法書士という立場から、一つだけどうしてもお伝えしておかなければならないことがあります。

それは、「ローンを完済しても、家の登記簿についた『抵当権』は自動では消えない」ということです。

手続きをしない限り、登記簿上は「銀行にお金を借りている状態(担保がついている状態)」のまま残ってしまいます。 これを消す手続きが、今回解説する「抵当権抹消登記(ていとうけんまっしょうとうき)」です。

「登記なんて難しそう…」 「自分でもできるの? それとも司法書士に頼むべき?」

そんな疑問をお持ちの方も多いと思います。 結論から言えば、抵当権抹消は条件さえ整えば、ご自身でチャレンジしやすい手続きの一つです。

この記事では、現役の司法書士が「自分で手続きする際の流れ」と、つまずきやすい「書類の書き方」、そして意外な落とし穴である「住所変更」について、実務の視点でわかりやすくナビゲートします。

まずは全体の流れを確認していただき、「これなら自分でできそうだ」と思えばチャレンジを、「やっぱり面倒だな」と思えば専門家へ、という判断材料にしていただければ幸いです。

目次

1.まず確認!「住所・氏名」は変更していませんか?【重要】

抵当権抹消の手続きを始める前に、一番最初に確認していただきたいことがあります。 実は、ご自身で手続きをしようとした方が、法務局の窓口で「これでは受け付けられません」と断られてしまう最大の落とし穴がここにあるからです。

それは、「登記簿に載っている住所・氏名」と「現在の住所・氏名」が一致しているかどうか、という点です。

「登記簿上の住所」と「今の住所」が違う場合

家を買った(または建てた)当時と比べて、引っ越しなどで住所が変わっていませんか? もし変わっている場合、いきなり抵当権抹消の登記をすることはできません。

法務局から見ると、登記簿上の「A市に住む田中さん」と、申請書を持ってきた「B市に住む田中さん」は、たとえ同一人物であっても「住所が違う=別人かもしれない」と判断されてしまうからです。

原則:住所変更登記が「必須」です

この場合、抵当権を消す前に、まず住所を最新のものに書き換える「住所変更登記(所有権登記名義人住所変更登記)」という手続きが必ず必要になります。

実務では、

  1. 1件目:住所変更登記
  2. 2件目:抵当権抹消登記

というように、2つの申請書をセットにして同時に提出(連件申請)するのが一般的です。 「抹消のついでに直してくれる」わけではなく、別の手続きとして申請書や費用(登録免許税)が別途必要になる点にご注意ください。

氏名が変わっている場合(結婚・離婚など)

住所だけでなく、結婚や離婚などで「氏名(名字)」が変わっている場合も同様です。 この場合も、抵当権抹消の前提として「氏名変更登記」が必要になります。

この手続きが必要な場合は、難易度が少し上がります

住所や氏名の変更登記が必要になると、以下の理由からご自身での手続きのハードルが少し上がります。

  • 書類集め: 住所の履歴が繋がる「住民票(または戸籍の附票)」や、氏名の変更がわかる「戸籍謄本」などを役所で集める必要があります。
  • 申請書作成: 抵当権抹消の申請書とは別に、もう一枚申請書を作成する必要があります。

もし、「住所が何度も変わっていて履歴を繋げるのが大変そうだ」「戸籍を集める時間がない」と感じる場合は、この段階で司法書士への依頼を検討されるのが賢明かもしれません。

一方、ご自身でこの前提手続きを進める方のために、この下に「所有権登記名義人住所変更登記申請書」のひな形を掲載します。

お手元の住民票や戸籍の附票を見ながら、コピーして正確に入力してください。

所有権登記名義人住所変更登記申請書

【登記の目的】 所有権登記名義人住所変更

【原   因】 令和〇年〇月〇日 住所移転
(※住民票に記載された「住所を定めた日(転入日)」を記載する)

【変 更 後 の 事 項】
 住 所 〇〇県〇〇市〇〇町一丁目2番3号
(※現在の住所を正確に記載する)

【申請人】〇〇県〇〇市〇〇町一丁目2番3号
        シアエスト 太郎
        連絡先の電話番号:090-0000-0000
(※現在のあなたの住所・氏名・日中連絡がつく電話番号を記載する)

【添 付 情 報】
 登記原因証明情報
(※住民票、戸籍の附票など、住所の変更履歴がわかる書類)

令和〇年〇月〇日 〇〇法務局 御中 
(※提出する法務局の支局・出張所名まで書く)

【登録免許税】 金2,000円
(※不動産1個につき1,000円。土地1筆+建物1棟なら2,000円)

【不動産の表示】
(※登記事項証明書を見ながら、一字一句正確に写す)

不動産番号 1234567890123
所   在 〇〇市〇〇町一丁目
地   番 2番3
地   目 宅 地
地   積 100.00平方メートル

不動産番号 9876543210987
所   在 〇〇市〇〇町一丁目2番地3
家屋番号  2番3
種   類 居 宅
構   造 木造かわらぶき2階建
床  面  積 1階 50.00平方メートル
      2階 40.00平方メートル

住所・氏名に変更がない(または変更登記の覚悟ができた)方は、次のステップへ進みましょう。必要な書類を集めていきます。

2. 抵当権抹消に必要な書類(パズルのピースを揃える)

住所・氏名の変更がないこと(あるいは変更の準備)ができたら、次は書類の確認です。 抵当権抹消は、「銀行から送られてきた書類」と「自分で作る書類」をパズルのように組み合わせることで完成します。

見慣れない名前の書類が多いですが、一つずつ確認していきましょう。

2-1. 銀行から送られてくる書類

住宅ローンを完済すると、銀行から「抵当権抹消書類一式」といった封筒が届きます。中には主に以下の4種類の書類が入っています。

  • 解除証書・弁済証書・放棄証書など
    • 役割: 「ローンを全額返済したので、抵当権を外します」ということを証明する書類です。銀行によって名称が異なりますが、役割は同じです。
  • 登記識別情報(または登記済証)
    • 役割: 銀行がその不動産に対して持っていた「抵当権の権利証」です。
    • 形状: 平成17年以降に設定されたものは、目隠しシールが貼られた「登記識別情報通知」(12桁のパスワード)であることが多いです。それ以前の古いものは、法務局の朱印が押された「登記済証(抵当権設定契約証書)」です。
    • 注意: 再発行ができない最重要書類です。紛失すると手続きが非常に面倒になるため、大切に扱ってください。
  • 委任状
    • 役割: 「手続きをあなた(または司法書士)に任せます」という書類です。
    • 特徴: 銀行の代表者印が押されていますが、「代理人(受任者)」の欄は空欄になっているのが一般的です(ここをどう書くかは後述します)。
  • 会社法人等番号(資格証明書の代わり)
    • 役割: 銀行が実在する会社であることを証明する番号です。
    • 特徴: 以前は「代表者事項証明書(資格証明書)」という紙の書類が同封されていましたが、現在は申請書に「会社法人等番号(13桁の数字)」を記載することで、紙の添付を省略できるようになりました。多くの銀行では、送付状や委任状の余白などにこの番号が記載されています。

2-2. ご自身で用意するもの

銀行からの書類が揃ったら、ご自身では以下のものを用意します。

  • 抵当権抹消登記申請書
    • 法務局のホームページから様式(WordやPDF)をダウンロードして作成します。
  • 収入印紙
    • 登録免許税(登記の手数料)を納めるために必要です。法務局や郵便局で購入できます。
    • 金額は「不動産1個につき1,000円」です(土地1筆・建物1棟なら合計2,000円)。
  • 印鑑(認印でOK)
    • 申請書に押すハンコです。
    • 抵当権抹消の場合、実印である必要はありません。認印で大丈夫ですが、スタンプ印(シャチハタ等)は不可です。

書類が全て手元にあることを確認できたら、いよいよ申請書の作成と提出準備に入りましょう。

3. 【完全手順】自分でやる抵当権抹消・7つのステップ

ここからは具体的な作業の手順です。 料理のレシピのように、ステップ順に進めていけば完了するように整理しました。書類を広げられるテーブルを用意して、一つずつ進めていきましょう。

ステップ1:書類の仕分けと不足チェック

まずは銀行から届いた封筒の中身をすべて出し、書類を広げてください。 特に確認すべきは以下のポイントです。

  • 解除証書(または弁済証書)の日付: 「いつローンが消えたか(解除日・弁済日)」が記載されています。これが申請書に書く「原因日付」になります。
  • 銀行の代表者名: 書類が発行された時期によっては、銀行の代表者が変わっている場合があります。現在の代表者と違う場合でも、そのまま申請できるケースが多いですが、少し書き方に注意が必要です。

ステップ2:管轄の法務局を調べる

登記の申請は、どこでもできるわけではありません。「その不動産の所在地を管轄する法務局」に提出する必要があります。

  • 調べ方: インターネットで「〇〇市(不動産がある場所) 法務局 管轄」と検索してください。
  • 注意: ご自宅の最寄りの法務局ではなく、あくまで「物件がある場所」の法務局です。

ステップ3:申請書の作成(書き方のポイント)

ここからは、申請書の書き方で特に間違いやすい箇所を解説します。

  • 登記の目的: 登記簿(全部事項証明書)の「乙区(所有権以外の権利に関する事項)」を見て、消したい抵当権の順位番号を書きます。
    • 例:「1番抵当権抹消」
  • 原因: 銀行の書類(解除証書など)に書いてある「日付」と「理由」を書きます。
    • 例:「令和5年〇月〇日 解除」(または弁済、放棄など。書類の記載通りに!)
  • 権利者: あなたの住所・氏名を書きます。
  • 義務者: 銀行の住所・商号・代表者名を書きます。
  • 【重要】会社法人等番号:
    • 申請書の義務者(銀行)の欄に、13桁の「会社法人等番号」を記載してください。
    • これを記載することで、銀行の資格証明書(代表者事項証明書)の添付を省略できます。番号は銀行の送付書類のどこかに記載されていることが多いです。

これらの情報を整理したものが、以下に提示する抵当権抹消登記申請書のひな型です。お手元の書類(解除証書・登記事項証明書など)と照らし合わせながら、正確に入力してください。

抵当権抹消登記申請書

【登記の目的】 〇番抵当権抹消
(※登記簿の乙区を見て、消したい抵当権の「順位番号」を書く)

【原   因】 令和〇年〇月〇日 解除
(※銀行の「解除証書」や「弁済証書」に記載された日付と理由を書く。「弁済」「放棄」の場合もあり)

【権 利 者】 〇〇県〇〇市〇〇町一丁目2番3号
        シアエスト 太郎

【義 務 者】 東京都千代田区〇〇一丁目1番1号
        株式会社〇〇銀行
        代表取締役 〇〇 〇〇
        会社法人等番号:1234-56-789012
(※銀行の書類に記載されている通りに書く。会社法人等番号も必ず記載する)

【添 付 情 報】
 登記識別情報(または登記済証)
 登記原因証明情報
 会社法人等番号
(※これらは定型句としてこのまま記載してOKです)

令和〇年〇月〇日 〇〇法務局 御中 
(※提出する法務局の支局・出張所名まで書く)

【登録免許税】 金2,000円
(※不動産1個につき1,000円。土地1筆+建物1棟なら2,000円)

【申請人】〇〇県〇〇市〇〇町一丁目2番3号
        シアエスト 太郎
        連絡先の電話番号:090-0000-0000
(※現在のあなたの住所・氏名・日中連絡がつく電話番号)

【不動産の表示】
(※登記事項証明書を見ながら、一字一句正確に写す)

不動産番号 1234567890123
所   在 〇〇市〇〇町一丁目
地   番 2番3
地   目 宅 地
地   積 100.00平方メートル

不動産番号 9876543210987
所   在 〇〇市〇〇町一丁目2番地3
家屋番号  2番3
種   類 居 宅
構   造 木造かわらぶき2階建
床  面  積 1階 50.00平方メートル
      2階 40.00平方メートル

ステップ4:委任状の記入【要注意】

ここが一番の「迷いポイント」です。 銀行から送られてきた委任状は、銀行の実印が押されていますが、「代理人(受任者)」の欄が空欄になっているはずです。

  • 書き方: この空欄には、申請するあなたご自身の「住所」と「氏名」を記入してください。
  • 意味: 「銀行は、手続きを(あなた)に委任します」という意味になります。ここが空欄のままだと、「誰に任せたか分からない」ため、申請が通りません。

ステップ5:登録免許税(収入印紙)の準備と貼り方

登記には税金(登録免許税)がかかります。現金ではなく「収入印紙」で納めるのが一般的です。

  • 金額の計算:不動産1個につき1,000円です。
    • 土地1筆+建物1個の場合 = 2,000円
    • 土地2筆(敷地と私道など)+建物1個の場合 = 3,000円
  • 貼り方:
    • A4の白紙を1枚用意し、「登録免許税納付用台紙」とします。
    • その真ん中に収入印紙を貼ります。
    • 重要: 印紙にハンコ(消印)は絶対に押さないでください。消印は法務局の職員が押します。自分で押してしまうと無効になる場合があります。
    • この台紙を申請書の後ろにホッチキスで留め、申請書と台紙の継ぎ目にハンコ(契印)を押します。

ステップ6:法務局へ申請(窓口・郵送)

書類が整ったら、管轄の法務局へ提出します。

  • 窓口申請(おすすめ):
    • 法務局の「不動産登記」の窓口に提出します。
    • その場で形式的なチェックを受けられる場合もあるため、初めての方は窓口が安心です。
    • 認印と身分証明書を持っていくと、軽微な訂正ならその場で対応できることがあります。
  • 郵送申請:
    • 「書留郵便」または「レターパックプラス(赤色)」で送ります。
    • 封筒の表に「不動産登記申請書在中」と赤字で書きましょう。
    • 不備があった場合、電話連絡が来て郵送での訂正やり取りになるため、時間がかかることがあります。

ステップ7:完了後の書類回収

申請から1週間〜2週間ほどで登記が完了します。(完了予定日は窓口等で案内があります)

  • 受け取るもの:
    • 登記完了証: 手続きが終わったという証明です。
    • 原本還付書類: もし「解除証書」などの原本還付(コピーを提出して原本を返してもらう手続き)をしていれば、ここで戻ってきます。
  • 注意点:
    • 新しい「権利証」は発行されません。 抵当権が消えただけなので、新しい権利証ができるわけではありません。
    • 銀行から預かっていた「登記識別情報(または登記済証)」は、抹消手続きに使われて効力を失います(無効になります)。記念に持っていても構いませんが、重要な情報が含まれているため、処分する際はシュレッダーにかけるなど注意が必要です。

ここまで終われば、あなたの不動産登記簿から「抵当権」の文字が消え、名実ともにきれいな状態になります。お疲れさまでした!

4. 抵当権抹消を放置するリスク

「借金はもう返したんだから、登記なんていつでもいいや」 「書類はタンスにしまっておいて、売るときにやればいいでしょう?」

そう思って、手続きを後回しにしてしまう方が実は少なくありません。 しかし、司法書士としては「完済した勢いで、すぐにやってしまうこと」を強くおすすめします。

なぜなら、放置すればするほど、後で手続きしようとした時の難易度と手間が跳ね上がってしまうからです。具体的にどのようなリスクがあるのかを見てみましょう。

「いつかやればいい」が招くトラブル

① 書類の紛失・銀行の事情が変わる

銀行から送られてきた書類(特に「登記識別情報」や「登記済証」)は、再発行ができません。 もし長い年月の間に紛失してしまうと、「事前通知制度」など、非常に手間と時間がかかる特別な手続きが必要になってしまいます。

また、放置している間に「銀行が合併して名前が変わった」「銀行の代表者が変わった」ということが頻繁に起こります。 書類上の銀行名や代表者名と、現在の情報が食い違ってしまうと、申請書に添付する書類が増えたり、書き方が複雑になったりと、自分で手続きするハードルが一気に高くなります。

② 売却時や相続時の手続きが複雑化する

将来、不動産を売却することになった際、抵当権が登記に残ったままでは、基本的に買い手は購入してくれません。 売却が決まってから慌てて抹消手続きをしようとしても、前述のように書類がなかったり、銀行の手続きが必要だったりと、スムーズに進まないことがあります。

また、もし抹消しないままご本人が亡くなり相続が発生すると、その負担はご家族(相続人)に行きます。 「相続登記」と「抵当権抹消登記」をセットで行わなければならず、お子様たちが「書類はどこだ?」「当時の銀行はどうなった?」と苦労することになります。

完済直後の「今」が一番スムーズです

銀行から書類が届いた「今」であれば、書類は全て揃っていますし、銀行の代表者などの情報も最新です。 余計な追加書類や複雑な書き方を調べる必要がなく、最もシンプルに手続きを終えられるのは、間違いなく「今」です。

将来の自分やご家族のためにも、書類が新しいうちに手続きを済ませてしまいましょう。

5. 「自分でやる」vs「司法書士に依頼する」判断基準

ここまで読んでみて、「よし、やってみよう!」と思われた方もいれば、「やっぱりちょっと面倒かも…」と感じた方もいらっしゃるでしょう。

最後に、ご自身の状況に合わせて「自分でチャレンジすべきか」「司法書士に任せるべきか」を判断するための目安を整理しました。

✅ 自分でチャレンジしても良さそうなケース

以下の条件に当てはまる方は、ご自身での手続きにチャレンジしやすいと言えます。

  • 時間がある: 平日の日中に法務局へ行く時間が取れる(1〜2回程度)。
  • シンプルな状況:
    • 住所・氏名に変更がない(または住所変更登記くらいなら苦にならない)。
    • 銀行からの書類がすべて揃っている。
    • 銀行名が変わっていない(または単純な商号変更のみ)。
  • 不動産が少ない: 自宅の土地と建物のみなど、物件数が少ない。
  • 事務作業が好き: 細かい書類のチェックや作成が苦にならない。

⚠ 専門家(司法書士)に任せた方が安全・お得なケース

一方で、以下のような場合は、無理せずプロに任せた方が、結果的に「時間と労力の節約」になることが多いです。

  • 住所・氏名の履歴が複雑: 何度も転居していて、住民票だけでは履歴がつながらない。
  • 相続が絡んでいる: 所有者が亡くなっており、相続登記と同時に抹消したい。
  • 銀行の事情が複雑: 昔の抵当権で、銀行が何度も合併を繰り返しており、現在のどの銀行が窓口かわからない。
  • 書類がない: 銀行からの書類を紛失してしまっている。
  • 売却の予定がある: 売却決済の日程が決まっていて、絶対にミスが許されない。

費用の目安比較

「自分でやる」場合と「司法書士に依頼する」場合で、費用はどれくらい違うのでしょうか?一般的な目安は以下の通りです。

項目自分でやる場合司法書士に依頼する場合
登録免許税(実費)不動産1個につき1,000円同左
証明書取得費(実費)数百円〜千円程度同左
司法書士報酬(住所変更登記)0円10,000円〜15,000円程度
司法書士報酬(抵当権抹消登記)0円10,000円〜20,000円程度
手間・時間法務局への往復、書類作成の時間ほぼゼロ(郵送・メールで完結)

※司法書士報酬は事務所や難易度によって異なります。上記は一般的な目安です。

「1〜2万円を節約するために、平日の時間を使い、慣れない書類を作る労力をかけるか?」

「プロに任せて、その時間を仕事や家族のために使うか?」

ご自身のライフスタイルや価値観に合わせて、最適な方法を選んでいただければと思います。

まとめ

抵当権抹消登記は、住宅ローン完済という大きなゴールを迎えた後の、大切な「最後の仕上げ」です。手続き自体は、手順通りに進めれば決して不可能ではありません。

しかし、住所変更などの落とし穴や、書類の不備によるやり直しなど、意外と手間取るポイントがあるのも事実です。

この記事をガイドブックとして活用し、ご自身でチャレンジされるのも素晴らしいことです。

また、「やっぱり不安だな」「面倒だな」と感じたら、無理せずお近くの司法書士にご相談ください。

大切なマイホームが、名実ともにきれいな状態で、これからもご家族の安心を守り続けることを願っております。

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代表司法書士・行政書士 今井 康介

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